静かなたたずまいが、
四季を通じて心に染みる庭。
「庭」153号掲載写真
施主は茶庭の静かな雰囲気を好まれるご夫婦。庭の土地は平坦なのだが家屋とは高低差があり、一体感をどうやって出すかがポイントとなる。まずは駐車スペースを道路側に確保して源氏塀で仕切る。内側に土盛をすることで家屋との高低差を少なくし一体感を出す。それにより居室からの眺めも良くなる。さらに最近人気の枕木をあえて使ってみようと思い立ち、門柱と源氏塀の柱に使用。枕木は腐りにくく長持ちするため、土留めや園路だけでなく工夫次第でいろいろな使い方ができる。完成してから間をおいて訪問してみると庭の表情はいちだんと豊かになり、静かなたたずまいを見せてくれていた。そこにご夫婦の愛情が感じられて嬉しくなった。やはり庭は作り手ではなく、住んでいる人の愛情だとあらためて確信させられた。
使用材料および演出物
【樹木】シラカシ、ヨシノスギ、アラカシ、シロヤマブキ、コナラ、ベニマンサク、アオダモ、オトコヨーゾメ、ヤダケ、オーバジャノヒゲ、ベニシダ
【演出物】シラカシ生垣、燈龍、サビ皮垣根、水鉢、御簾垣、沓脱石、川砂利、庭園燈、丹波石、木戸、石華柱、丹波石、臼
平面図
「庭」153号掲載写真 撮影者:信原修 発行元:(株)建築資料研究社 編集者:(有)龍居庭園研究所